「DX」という言葉が、ようやく審査されている
2026年第1四半期、国内主要企業1,500社へのアンケート調査を行いました。DXという言葉が日本に上陸して10年近く経ち、ようやく「やった、やってない」の話が「成果が出た、出ていない」の議論に切り替わっています。今年は、その切り替えが鮮明になった年です。
結論から書きます。日本企業のDXは、いま二つに割れています。
先行層(全体の25%)— デジタルが事業の言語になった
この層には、共通する3つの特徴があります。
- デジタル発の新規事業が、売上の30%超 既存事業のデジタル化ではなく、デジタルから新しい商売を立ち上げている。
- レガシーからの完全脱却 脱メインフレームを終え、クラウド・APIネイティブの環境で日常業務が回っている。
- 「市民開発」が文化になっている 全社員の8割以上が、ノーコード・ローコードツールで日常業務を改善している。IT部門が動くまで待たない。
共通項を一行でまとめると、こうなります——デジタルが、もう特別な施策ではなく、業務の言語そのものになっている。
停滞層(全体の40%)— 同じ景色の繰り返し
停滞層には、もっと共通する症状があります。
- 紙とExcelが、業務フローの一部に必ず残っている
- 部署間でデータが分断され、繋ぐ努力が「来年度の課題」として持ち越されている
- DXはIT部門の仕事だと、経営層が口にしている(または、口にしないが、行動でそう伝えている)
この層の人と話すと、「うちは特殊だから」「業界が違うから」という言葉が必ず出ます。それは事実かもしれません。ただし、先行層の25%は、停滞層と同じ業界、同じ規模、同じ歴史を持ちながら、向こう側に渡りました。
2026年の新しい潮目:グリーンDX
今年の調査で新たに浮上したのが、脱炭素経営とデジタルを掛け合わせる「グリーンDX」への投資です。サプライチェーンの二酸化炭素排出量をリアルタイムで可視化し、AIで物流ルートやエネルギー消費を最適化する——これがコスト削減と環境負荷低減を同時に解く手段として、急速に広がっています。
欧州取引では、もう「グリーンDX対応済みか」が取引条件です。日本企業にとっても、選択の余地はほぼ残されていません。
DXが終わるのではなく、DXを終えた企業と、終えられない企業に分かれる年——それが、2026年の日本である。← News・調査レポート一覧へ戻る